洗面台に入れ歯を落としてしまいました

入れ歯の患者さんにときどき起こるトラブルとして、入れ歯を洗っているときに洗面台に落として入れ歯を割ってしまう、あるいは小さめの入れ歯を落として排水溝から流してしまう、というものがあります。

入れ歯は一日何回も外して洗っていただきたいので、長い間には落としてしまうこともあるでしょう。予防策として、洗面台に少し水を張っていただいたりタオルを置いてから洗うとこのようなトラブルを避けることができます。

少々面倒ではありますが、よろしければ参考になさってください。

寝るときに入れ歯はどうしますか?

患者さんから良くいただく質問の一つに、「寝る時に入れ歯は外して寝た方が良いですか?」というものがあります。

原則として、就寝時は入れ歯を外すのが基本です。ブラシで良く洗って汚れを落とし、綺麗な水につけておきます。入れ歯洗浄剤もあわせて使っていただくと効果があります。外して寝ることにより歯茎が休まりますし、小さい入れ歯の場合ははめて寝ると夜中に外れて飲み込んでしまう危険性があります。

でも、はめて寝た方が良い場合もあります。たとえば、残っている歯が少なくてしかもそれが上下でかみ合っている場合、夜中に少ない歯同士が強く当たってしまいグラグラになってしまうことがあります。その場合は入れ歯を入れて少ない歯に力が集中しないようにしてあげる方が良いのです。ただし、入れ歯をはめたまま寝ると汚れや細菌がたまりやすくなる傾向があるので、寝る前や起きた時の口や入れ歯のお掃除は丁寧にしっかりやってくださるよう、お願いいたします。

ですので、実際の回答はケースバイケースということになります。ご遠慮なくご相談ください。

歯ブラシの交換時期

歯医者をしていて患者さんからよくいただく質問の一つに、「歯ブラシってどのくらいで新しいものに替えた方がいいんですか?」というのがあります。

いろんな判断方法があるのですが、私は、「歯ブラシを毛が生えていない背中側から見て、柄の両側に毛が飛び出ているのが見えるようになったら交換時期です。」と説明することが多いです。歯ブラシの種類や使用頻度、磨く時の強さにもよるのですが、おおよそ一か月前後が目安でしょうか。

具体例を挙げると、下の写真のように見えたら交換時期と判断してよいでしょう。

毛先が開いてしまった歯ブラシで磨くと効率が落ちるので、適切な時期に交換されることをお勧めします。

歯ブラシに歯磨き粉をどのぐらいつけたら良いでしょうか

歯を磨くとき、歯ブラシに歯磨き粉をどのぐらいつけておられますでしょうか。テレビなどで歯ブラシの毛の部分と同じ長さぐらいにたくさんの歯磨き粉をつけている画像を見ますが、あんなにたくさん使用する必要はありません。

歯磨き粉には発泡成分が入っているので大量につけると泡立ちが強くて長時間磨く前にゆすいでしまいたくなりますし、口の中をさっぱりさせる香料が入っているので短時間磨いただけでも綺麗になった気がしてしまいます。しかし、きちんと時間をかけて磨かなければ汚れは取れていません。

歯磨き粉をつける量は小豆や大豆の粒ぐらいが適当です。それでも充分に効果があります。

入れ歯と歯磨き粉

食後や寝る前には、入れ歯を外して洗っていただくのがお手入れの基本です。その時に、少しでも入れ歯がきれいになるようにと思って歯磨き粉をつけて洗う方もおられると思います。

しかし、歯磨き粉は天然の歯を洗うために作られたものなので、研磨剤など入れ歯に好ましくない成分が含まれていることが多いです。研磨剤で洗ってしまうと入れ歯の柔らかい部分に細かい傷がつき、そこに汚れが残ったりして細菌が繁殖する原因になります。

ですので、入れ歯を洗う時は歯磨き粉をつけないブラシで洗うようにして、薬剤による洗浄は専用の入れ歯洗浄剤を使ってください。