入れ歯と歯磨き粉

食後や寝る前には、入れ歯を外して洗っていただくのがお手入れの基本です。その時に、少しでも入れ歯がきれいになるようにと思って歯磨き粉をつけて洗う方もおられると思います。

しかし、歯磨き粉は天然の歯を洗うために作られたものなので、研磨剤など入れ歯に好ましくない成分が含まれていることが多いです。研磨剤で洗ってしまうと入れ歯の柔らかい部分に細かい傷がつき、そこに汚れが残ったりして細菌が繁殖する原因になります。

ですので、入れ歯を洗う時は歯磨き粉をつけないブラシで洗うようにして、薬剤による洗浄は専用の入れ歯洗浄剤を使ってください。

寝る時に入れ歯はどうしますか

患者さんからいただく質問の一つに、「寝る時に入れ歯は外して寝た方が良いですか?」というものがあります。

原則として、就寝時は入れ歯を外すのが基本です。ブラシで良く洗って汚れを落とし、綺麗な水につけておきます。入れ歯洗浄剤もあわせて使っていただくと効果があります。外して寝ることにより歯茎が休まりますし、小さい入れ歯の場合ははめて寝ると夜中に外れて飲み込んでしまう危険性があります。

でも、はめて寝た方が良い場合もあります。たとえば、残っている歯が少なくてしかもそれが上下でかみ合っている場合、夜中に少ない歯同士が強く当たってしまいグラグラになってしまうことがあります。その場合は入れ歯を入れて少ない歯に力が集中しないようにしてあげる方が良いのです。ただし、入れ歯をはめたまま寝ると汚れや細菌がたまりやすくなる傾向があるので、寝る前や起きた時の口や入れ歯のお掃除は丁寧にしっかりやってください。

ですので、実際の回答はケースバイケースということになります。ご遠慮なくご相談ください。

歯ブラシを動かす回数は?

歯磨きの時、歯ブラシを歯に当てた状態で何回往復させたら良いでしょうか?

歯磨きの一番大きな目的は、歯についた歯垢(Plaque)を落とすことです。歯垢は水に溶けにくく、ネバネバと歯に貼りついているので、一回磨いただけでは取れません。

ある場所に歯ブラシを当てたら小さいストロークで、15~20回は往復させて磨いてください。