歯石を取らないでおくとどうなるでしょう

口の中で繁殖した細菌の塊である歯垢に、唾液の中の無機質が結合したものが歯石です。いったんついてしまった歯石は歯ブラシでは取れず、歯科医院で除石処置をする必要があります。

歯石の表面は凹凸があり、細菌の温床になります。また、機械的にも歯肉を刺激します。そのため、歯石がついたままの状態を放置すると歯周病が悪化する原因になります。

歯石とは何でしょう

食後に口の中に残った食べかすをエサにして繁殖した細菌の塊を歯垢といいます。

歯垢は歯ブラシでしっかりと磨くことによって取り除くことができますが、残っている部分があると数日の間に唾液の中の無機質と結合して軽石のような硬いものに変化します。これを歯石といいます。

歯石になってしまうと歯ブラシだけで取り除くことは難しく、歯科医院で処置してもらう必要があります。

歯垢とは何でしょうか

歯垢(プラーク)という言葉をお聞きになったことがあると思います。歯の汚れという意味では一緒ですが、厳密には食べかす(食渣)と歯垢は違います。

食べかすは、食べたものの一部が歯や口の中にそのまま残ったものです。それに対して歯垢は食べかすをエサにして繁殖した細菌の塊で、ネバネバと歯の表面に粘着しているので口をゆすぐだけでは取れません。

歯垢はむし歯や歯周病(歯槽膿漏)の大きな原因になるので、しっかり歯磨きをして除去しましょう。

乳歯はいつから生え始める?

小児検診に行ったり、小さい赤ちゃんのいるお母さんの治療をしている「うちの子はまだ乳歯が生えていないんですよ。大丈夫なんでしょうか?」と相談されることがあります。

一般的には、生後6~8カ月頃に下の前歯が生えだして、その後8~10カ月頃に上の前歯が生え始めます。ただし、これはあくまで目安であって、数カ月遅れることも珍しくありません。1歳ぐらいまでは心配しなくても良いと思います。もし1歳過ぎてもまったく生えてこない場合は、一度専門の小児歯科に相談してみるのも良いでしょう。

え!? また歯を抜くのですか?

歯科医の間では歯を抜くことを「抜歯(ばっし)」といいます。これはご存知の方も多いと思います。

ところで、歯を抜いたりして口の中に傷ができた場合、希に糸で縫うことがあります。数日後にその糸を抜く場合、普通に言うなら「抜糸(ばっし)」です。しかしそうなると抜歯か抜糸か発音が同じで紛らわしいので、我々は抜糸を「ばついと」と呼ぶことも多いのです。

さて、縫った糸を抜くときはその一部をピンセットでつまんでハサミで切って抜くのですが、糸を切るハサミを「抜糸剪刀(ばっしせんとう)」または略して「抜糸剪(ばっしせん)」といいます。歯を抜いて傷口を縫い、数日後に糸を抜こうとして歯科助手さんに「抜糸剪刀(ばっしせんとう)をください」と言うと患者さんが「えっ、このあいだ抜いたのにまた抜歯ですか!?」。

いえいえ違います。うーん、業界用語だから慣れちゃっているけど、「ばついとバサミ」、「糸切りバサミ」とか言い換えた方がいいのかなぁ。悩みます。