歯並びの一部が無くなってしまったら

一部の歯が無くなってしまった時の対処法は、その部位や口の中全体の状況によって異なります。例えば、親知らず(前から8番目の歯)が腫れて抜かざるを得なくなったとしましょう。多くの場合は親知らずがなくても食事などに影響がないので、そのまま使っていただいてよいと思います。

ただし、上下でかみ合っていた親知らずの片方を抜いた場合、相手の親知らずが伸びてきて反対側の歯茎を傷つける可能性があり、そのような時は反対側の親知らずも抜歯が必要になることがあります。

親知らず以外の歯が無くなってしまった場合、その両側の歯が傾いてきたり、反対側の歯が伸びてきたり、あるいはかみ合わせが変わって顎に痛みが出たりすることもあります。したがって現在すぐ食事に支障がなくても、入れ歯やブリッジなどでその部分をふさいであげなければいけないことも多いのです。なるべく早く、かかりつけの歯科医院にご相談なさってください。

乳歯はいつから生え始める?

小児検診に行ったり、小さい赤ちゃんのいるお母さんの治療をしている「うちの子はまだ乳歯が生えていないんですよ。大丈夫なんでしょうか?」と相談されることがあります。

一般的には、生後6~8カ月頃に下の前歯が生えだして、その後8~10カ月頃に上の前歯が生え始めます。ただし、これはあくまで目安であって、数カ月遅れることも珍しくありません。1歳ぐらいまでは心配しなくても良いと思います。もし1歳過ぎてもまったく生えてこない場合は、一度専門の小児歯科に相談してみるのも良いでしょう。

歯周病とタバコ

タバコにはいろいろな害がありますが、歯周病(歯槽膿漏)にも悪影響があるのをご存知でしょうか。

タバコに含まれる一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げ、またニコチンには血管を収縮させる作用や免疫を阻害する作用があります。煙が直接口の中に作用して防御機構を弱らせ、さらに体に吸収されてからも血液を介して影響します。

また、ヤニが付着することによって歯の表面に凹凸ができ、細菌が繁殖しやすくなります。これらが全て歯周病悪化の原因になります。

なかなか困難なことであるのは承知していますが、お口の健康のためにもできれば禁煙をお勧めします。

寝る時に入れ歯はどうしますか

患者さんからいただく質問の一つに、「寝る時に入れ歯は外して寝た方が良いですか?」というものがあります。

原則として、就寝時は入れ歯を外すのが基本です。ブラシで良く洗って汚れを落とし、綺麗な水につけておきます。入れ歯洗浄剤もあわせて使っていただくと効果があります。外して寝ることにより歯茎が休まりますし、小さい入れ歯の場合ははめて寝ると夜中に外れて飲み込んでしまう危険性があります。

でも、はめて寝た方が良い場合もあります。たとえば、残っている歯が少なくてしかもそれが上下でかみ合っている場合、夜中に少ない歯同士が強く当たってしまいグラグラになってしまうことがあります。その場合は入れ歯を入れて少ない歯に力が集中しないようにしてあげる方が良いのです。ただし、入れ歯をはめたまま寝ると汚れや細菌がたまりやすくなる傾向があるので、寝る前や起きた時の口や入れ歯のお掃除は丁寧にしっかりやってください。

ですので、実際の回答はケースバイケースということになります。ご遠慮なくご相談ください。

銀歯がとれてしまったら

歯についていた銀歯が取れてしまった場合、最初に気を付けることは飲み込まないようにすることです。気管や食道に引っかかると、危険な状況になることもあります。

落ち着いて口から出してきれいに洗い、なるべく早く歯科医院を受診してください。取れてからあまり日数がたっていなければ、外れた銀歯をそのまま付け直してお使いいただけることもあります。ただし、大きくむし歯になっていたりご自分の歯が折れていたりする場合には作り直しが必要になるでしょう。